
流通量が世界の1%以下の、きわめて希少なコーヒー豆で淹れたコーヒーが
フィリピンにあるのをご存じでしょうか?
その名は、「バラココーヒー」といいます。
タガログ語ではKapeng barakoです。
フィリピン特産のバラココーヒーとは何か、
どんな味なのか、
日本で飲むことはできるのか、といった点をお伝えしていきます!
Table of Contents
バラココーヒーとの出会い
マニラから約2~3時間ぐらい南に下ったところにバタンガス州があります。
バラココーヒーは、このバタンガス州で生産される「リベリカコーヒーノキ」からとれる実を使っています。
管理人がバラココーヒーの存在を初めて知ったきっかけは、オンライン英会話です。
カビテ出身の講師Darylが、バタンガスの特産物がコーヒーであると教えてくれました。
コーヒー好きである私は、ぜひそのバラココーヒーを現地で試したいと思ったのですが、
残念ながらフィリピンに渡航することが難しい状況になってしまいました。
そこで、ネット通販で入手することはできないかと探したところ、
Yahoo!ショッピングや楽天市場で難なく発見することができました。
現在、「イーグルアイ・フィリピーノ・ショッピングサイト」が、国内では最安値でバラココーヒーを扱っています。
バラココーヒーだけでなく、ココナッツオイルやココナッツバターなど、
フィリピン特産の品物を扱っているネット通販のお店です。
他の商品も興味をそそられます。
バラココーヒーの価格は、200gで1000円程度。
クーポンも使えたので、今回は送料分はほぼ無料で買うことができました。
希少さの割に、高くない!
注文してからほどなく、自宅までバラココーヒーが配達されてきました。
香りや味については、のちほど述べることにします。
世界流通量の1%未満のリベリカ種
世界には、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種という3種のコーヒーノキの品種があります。
中でももっともひろく生産されているのがアラビカ種で、
世界のコーヒー消費量の60%を占めます。
アラビカ種はアフリカのエチオピア原産ですが、現在ではブラジルが最大の生産地です。
2番目に広く消費されているのがロブスタ種。
世界のコーヒー消費量に占める割合は、約40%。
アラビカ種とロブスタ種をあわせると、世界の99%を占めています。
ロブスタ種は西アフリカ原産で、ベトナムやブラジルが主要な生産地です。
ロブスタは英語のRobust(強い)に由来するといわれており、アラビカ種よりも病気に強い品種です。
リベリカ種は世界3大コーヒーのひとつでありながら、世界流通量の1%未満といわれており、きわめて希少な品種です。
西アフリカのリベリア原産であることからリベリカ種と名づけられています。
特徴は、樹高が20メートルにもなり、アラビカ、ロブスタよりも実が大きいこと、
低地で栽培されることです。
フィリピン以外にはマレーシアでも栽培されています。
なぜリベリカ種はこれほど流通量が少ないのか?
フィリピンのコーヒー栽培の歴史
フィリピンにリベリカ種が最初に持ち込まれたのは1740年。
スペインの修道士がバタンガス地方のリパという町に持ち込み、栽培が始まりました。
リパはバタンガス州で最も人口が多い街で
地理的にはタアル湖の東側にあります。リパの場所は、こちら。

Wikipedia
リパで始まったコーヒーの生産は、ほどなく周辺の地方に広がりました。
19世紀にはアメリカのサンフランシスコやヨーロッパにも輸出されるまでになりました。
1880年代に世界中で「コーヒーさび病」が猛威を振るい、多くのコーヒーノキを壊滅させました。
その直後にフィリピンは世界の4大コーヒー生産国のひとつに入りました。
しかし、コーヒーさび病がフィリピンで栽培されていたコーヒーを襲い、
ほとんどの農家がコーヒー栽培をやめ、他の作物に切り替えました。
コーヒーさび病の蔓延という荒波をのりこえ生き残ったのがバラココーヒーです。
現在はほとんどがカビテで生産されています。
リベリカ種は、他のアラビカ種、ロブスタ種に比べて広い土地が必要で、栽培が難しいことから、
その後もカムバックを果たすことができませんでした。
その結果、リベリカ種は流通される量が非常に少ない、希少なコーヒーとなりました。
バラココーヒーの飲み方、特徴
バラコとは、フィリピン語で「種付け用の雄」のブタを意味します。
そこから、比喩的に「男らしい」「マッチョな」という意味でも使われます。
バラココーヒーは、その香り、味の力強さが、男らしさを連想させることから、名づけられています。
飲み方は、ペーパーフィルターに粉を入れて、ゆっくりと熱湯を注いで抽出すれば完成。
味は独特な、ややスモーキーなフレーバーが特徴です。
酸味はありません。
飲み終わった後もしっかりと強い余韻が残ります。
タバコを思いださせるような風味で、以前吸ったことのあるフランスのタバコに似ていました。
「飲むタバコ」と呼ばれることもあるようです。
地元では、朝、日が昇る前に、ニワトリのTIK-TI-LAOK(コケコッコー)という鳴き声を聞きながら、
バラココーヒーにさとうきびのシュガーを入れて甘くしたものを飲む人が多いそうです。
カフェオレにしても良し
今度は、シュガーとミルクを入れて、カフェオレにしてみました。
三温糖を使いました。牛乳は近所のスーパーで買ってきたもの。
カフェオレにしてみると、やはりバラココーヒーの特徴ある風味がしっかりと残っていました。
バラココーヒーが飲めるカフェ
フィリピンに行けば、バラココーヒーが飲めるカフェがたくさんあります。
とくに原産地であるカビテでは、珍しいものではないので地元民に広く飲まれています。
私はまだ訪れた機会がないので、次回、フィリピンに行った際にはぜひ行きたいと思っています。
日本で現在、バラココーヒーを扱っているカフェについては、情報がありません。
まとめ
今回はフィリピン・バタンガス地方特産のバラココーヒーを紹介しました。
フィリピンには、バラココーヒー(リベリカ種)、ベンゲットコーヒー(アラビカ種)やサガダコーヒー(アラビカ種)など、
地元で生産されるオリジナルなコーヒーがあります。
輸出はされていないので入手困難ですが、現地に行けばどこでも買うことができます。
機会があればフィリピンの珍しいコーヒーを試してみてはどうでしょうか?