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日本人が知らない、フィリピンの伝統的な通夜・葬式

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当記事は、フィリピンの通夜や葬式がどのように行われるかをお話します。

記事の内容は、ルソン島ラグナに住む私の彼女から聞いた内容を私がまとめたものです。

 

通夜・告別式

 

誰かが亡くなると、通夜、告別式、そして埋葬が行われます。

通夜はフィリピンではウエイク(Wake)と呼ばれます。

 

これらのやり方・風習は、スペインの植民地となる以前からの伝統、文化を反映しています。

それらは21世紀の現在も親から子、孫へ脈々と受け継がれています。

 

また、フィリピンの中でも、地域ごとに多様な特色ある習慣、迷信、しきたりが残されています。

 

カトリックでは火葬はしない

 

フィリピンで圧倒的多数を占める宗教はカトリックです。宗教上の理由から、火葬はされません。

遺体はそのまま柩に入れられ、墓地に埋葬されます。

 

その一方、ムスリムは火葬を禁止する決まりはなく、亡くなってから24時間以内に遺体の火葬をします。

 

 

聖書の教え

 

聖書によると、死んだ人は永遠に眠るのではなく、「最後の日」に復活し、天国へ行くとされています。

そのため、遺体を損傷しないことが求められます。

 

しかし、近年は選択肢も多様化してきており、火葬を選択するという人もいます。その場合、通夜を行った後、遺体は教会へは行かず、直接火葬場へ行きます。

 

ウェイク

 

家族の誰かが亡くなると、まず行われるのが通夜(Wake)です。

 

通夜は伝統的に、亡くなった人の家で行われます。最近では葬儀場のチャペルや教会などで行われることもあります。

日本と違い、通夜は3日間から7日間の間、行われます。

 

亡くなった人の家族はその間、毎晩、弔問客に食事を出すなどの対応をしなければなりません。

食事はパンやビスケット、フィリピンの餅などが出されます。

通夜の間、親戚、友人、近所の人が弔問に訪れます。家族が海外にいる場合、海外から戻ってくるまで通夜が続く場合もあります。

 

香典(アブロイ)

室内には柩が安置されます。その近くに弔問客が香典(Abuloy、アブロイ)を入れる壺と芳名帳(guest book)が置かれます。

Abuloyは、通夜と告別式を行うためにかかる費用を、親戚や家族、近所の人たちで分担するためのものです。額については決まりはありません。

 

カラオケ、トランプ

通夜の間、亡くなった人の家族は交代で置き、柩の近くで見守ります。

弔問客は通夜の間、故人の遺体を孤独にさせてはならないとされています。そのため、なんとほとんどのフィリピン人は通夜でカラオケをしたり、トランプやマージャン、丁半賭博などの賭け事をしています。

通夜が行われる間、家の外にテントが張られます。そこにはいすや机が置かれ、ここで親戚、友人、近所の人などが夜通しトランプなどをして過ごしています。

告別式

 

通夜が終わると、今度は教会まで遺体を運ぶ行進(Procession)が行われます。

柩を乗せた車を先頭に、その後ろに家族、親戚が並んで教会まで歩きます。

 

そして、教会で告別式が行われます。

告別式では黒または白の服を着ます。

宗教によっては教会へは行かず、そのまま埋葬するバージョンもあります。

告別式の後、遺体は墓地に埋葬されます。

 

ユニークな風習

 

通夜、告別式には様々なしきたり、風習が受け継がれています。以下はその一例です。

 

◆通夜を行うときに、部屋に鏡を置いてはいけない。鏡には布などで覆いをかける。

◆通夜を行っている家でシャワーを浴びたり、髪をくしでといたりしてはならない。

◆通夜で赤い服を着てはならない。赤い服でなければ特に色の指定はない。

◆通夜で出された食べ物を家に持ち帰ってはならない。

◆亡くなった人の家族は弔問者が持ってきた香典に対して「ありがとう」と述べたり、帰る際に声をかけてはいけない。門や玄関まで見送ってはいけない。

◆通夜を行っている際は、家の扉を24時間開けっ放しにしなくてはいけない。

◆月曜日に葬儀をしてはいけない。

 

サガダでは柩をつるす

フィリピンの墓地についても地域によって特色があります。

とくに、ルソン島北部の山岳地帯にあるサガダという地域では、高い崖の途中に遺体の入った柩を吊るすという独特の墓地が見られます。

天国により近いところに亡くなった人を置くという考えに由来しています。

ビサヤ地方

 

続いて、ビサヤ地方に伝わる風習を紹介します。

内容は、セブ島にあるサンカルロス大学の人類学・社会・歴史学部の学生が、ビサヤ地方で60年以上にわたり葬儀で慰霊に携わってきた女性を取材して作成した動画をもとにしています。

こちらの動画です。

 

 

 

葬儀の際に祈祷を行う人のことを、ビサヤ地方の言葉で、マナナブタンといいます。

 

動画には40年以上にわたってマナナブタン(祈祷師)を務めるカロリナさんが登場します。

カロリナさんが、学生のインタビューに答えて、

いろいろな伝統を教えてくれます。

 

棺の上にひよこを置く意味

 

誰かがひつぎの上にひよこを置きました。

カロリナさんは、

「この方は刺されて亡くなった人です。棺を埋葬する間、その上にひよこを置かなければなりません。

それは、殺した人も死なせるためです。ひよこを置くのは、刺されて亡くなった人だけです」

と説明します。

 

ひよこを置くことには、刺し殺した人をも死なせるという意味があるようです。

 

様々なジンクス

 

通夜においては、つぎのようなジンクスがあります。

 

「通夜の間、風呂を浴びるなど、身をきれいにしてはいけない」

「床を掃いてはいけない」

 

そうすることで自分にも死がやってくる、と信じられているようです。

 

また、「早すぎる死」であると考えられるときには、皿を割ります。

そうすることで、不吉の連鎖を断ち切ることができます。

 

通夜に参加して1年経たない間に人が亡くなった場合、短剣(Bolo)を棺に入れます。

これも不吉を断ち切るためです。

 

 

棺おけの下をくぐる

 

高く掲げた棺桶の下を参列者がくぐるという不思議な行事があります。

 

まとめ

 

伝統的なフィリピンの葬儀について紹介しました。

今回の記事はここまでです。

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