当記事では、フィリピン人がよく使うしぐさ、ジェスチャーを紹介します。
フィリピン人は、顔の表情筋を動かしたり、さまざまなジェスチャーで意思を伝えることがよくあります。
目次
眉を上に動かす
相手の顔を見て、眉を上にピクッと1、2度動かします。これを無言でします。
口は口角をやや上げると良いです。
最も広く行われているフィリピノらしいしぐさのひとつです。
「同意」や「オーケイ」を意味します。
眉だけを独立して動かす、というのはふだん使わない表情筋を使いますが、
フィリピノにとっては日常です。
年齢、性別を問わず、誰でもします。
また、道端で知り合いに会ったたときにも、相手としっかりとアイコンタクトをして、
無言で眉を動かすしぐさをします。
これだけであいさつになります。
慣れないうちは不器用にしかできませんが、くり返すうちに自然にできるようになります。
気がつくとくせになっています。
道路でも眉を動かす
驚いたことに、車を運転しているドライバーもしばしばこれを行います。
歩行者が道を横断しようとしているときや、交差点などで、ドライバーが眉を動かすと、
「どうぞ。先に行ってください」という意味です。
余談ですが、フィリピンでは信号機や横断歩道などはほとんどありません。
それでどうして事故が多発しないか不思議だったのですが、
実は眉を動かすことで、相手とコミュニケーションをしているのです。
口をとがらせる
あなたが何か探しものをしていていて、フィリピノに「○○はどこにある?」と聞くと、
決まって、ある方向に向かって口をとがらせます。
この動作は無言で行われます。
口をとがらせた方向のどこかにある、ということなのですが、
漠然としすぎていて、
「え?どこ???」となるでしょう。
どこにあるかわからないので、もう一度、同じことを聞いてみると、
また無言で口をとがらせます。
あきらめて自分で探しましょう。
こうしているからと言って、これからあなたとキスをしようとしているわけではありません。
相手の手の甲を自分の額につける
相手の手をとり、自分の額に手の甲を1〜2秒間つけます。
年長者に対するあいさつとして行われる、「マノポ」と呼ばれるフィリピン独特の動作です。
年長者を敬うことが大切とされているフィリピン社会では、子供のうちからマノポをするようにしつけられています。
マノポをしないと「常識のない人」と思われます。
参考記事
マノポについてはこちらの記事が参考になるので、ぜひチェックしてみてください。
ハイファイブ
手を頭ぐらいか、それより上に上げて、相手の上げた手のひらをパチンと打ちます。
これは、「ハイファイブ」と呼ばれます。
友人同士やオフィス、飲み会などの場面でよく見られます。
フィリピノが集まると、どんなときも、ジョークと「笑い」が絶えることがありません。
強く息を吐いて人を呼ぶ
くちびるを閉じて、強く息をはくことで「プシッ」または「プスッ」という音を出します。
するどく上から下へ、手招きをする場合もあります。
少し離れたところにいる人を呼ぶしぐさです。
まるで動物でも呼ぶような感じがするので、私の彼女に「失礼ではないか?」と聞いてみたところ、「失礼」という答えでした(笑)
しかし、「親しい間柄なら大丈夫」とのことです。
私はまだやったことがありません。
親指と人差し指でL字

"LABAN" SIGN (Photo/Jay Morales)
親指を伸ばし、人差し指を立ててL字形を作ります。
このジェスチャーはフィリピン語のLabanを表し、「戦う」を意味します。
同様の形の、Loserという西洋文化圏のジェスチャーがありますが、
それとは関連がありません。
"LABAN"は、Lakas ng Bayan(People's powe = 人民の権力)の略語で、
かつて1978年に野党議員のベニグノ・アキノ・ジュニアが組織した政治連合の名前です。
1983年8月21日に、空港で暗殺されたアキノ議員の葬儀、
1986年のピープル・パワー・レボリューション(マルコス政権の暴力と選挙不正に端を発した革命)
で「ラバン」のハンドサインが使われるようになったという歴史があります。
両手を上げ、指で長方形をつくる
両手の親指と人差し指を使って顔の前あたりで長方形を作ります。
これは、「お勘定」という意味になります。
レストランなどで食事をした後に行うしぐさです。
親指と人差し指で輪をつくる
親指と人差し指で輪をつくると、「お金」を表します。
西洋の文化または日本だと、「OK」「問題なし」という意味でも使われますが、
フィリピンではお金です。
まとめ
今回の記事では、フィリピノの行う主なジェスチャーを紹介しました。
表情やしぐさは言葉以上に大きな意味を持つ、とも言われます。
ぜひこれらのジェスチャーを使ってみてください。