フィリピンのクリスマスが「悪夢」?!~その理由とは

世界でもっとも早い時期からクリスマスが祝われる国。

それがフィリピンであることは有名です。

 

9月から12月までは英語で月の名前の末尾にberがつきます。

ber monthが始まる9月1日がクリスマスを祝う合図です。

それだけ一年をとおして最も楽しみにされるシーズンであるということです。

 

しかし、先日あるフィリピン人の知り合いから、

クリスマスがある意味で「悪夢のシーズン」でもあると聞き大変驚きました。

一体、どういうことなのか??

 

クリスマスに疾患が激増

理由の第一が、健康にかかわる問題です。

 

心臓や脳の発作で倒れて病院に搬送される人が最も多くなるのが

クリスマスシーズンです。

 

2015年のRappler.comに次のような記事がありました。

https://www.rappler.com/life-and-style/health-and-wellness/tips-healthy-heart-christmas

 

クリスマスの時期により多くの人々が心臓発作や脳卒中を起こしやすく、

より悪いことに死ぬことが多いと医師のグループが警告したとのことです。

 

この現象は

“Merry Christmas Coronary, Happy New Year Heart Attack”

(メリークリスマス心臓発作、新年おめでとう心臓まひ)

と名づけられています。

 

心臓発作、脳卒中だけでなく糖尿病もこの時期に多く発生します。

 

データを見ても明らかです。

マニラ首都圏の2004年から2008年の緊急搬送と入院の件数は

クリスマスシーズンはほかの時期に比べなんと3倍となっています。

 

この現象を引き起こす主犯は何か?

 

パーティーに次ぐパーティーであることはおそらく誰も否定できないでしょう。

 

パーティーに行くごとに、豚の皮をはじめとした脂質の多い食事と酒を大量に摂取します。

出された食べ物は食べなければホストに失礼とされます。

いくつものパーティーをはしごし、

次のパーティーでも同じメニューをまた食べます。

これが一気に血圧上昇などを引き起こすわけです。

 

搬送先で死ぬケースも多いので、本当に危険ですね。

救急搬送はされなかったとしても、

この時期に数キロは体重が増加することは避けられません。

 

アギナルドの金銭負担

クリスマスが悪夢である第二の理由。それは「アギナルド」です。

 

クリスマスにつきものなのは、封筒に入れたお金を子供たちに配ることです。

これがアギナルド(Aguinaldo)と呼ばれます。

もともとスペイン語でボーナスを意味する言葉です。

「お年玉」のフィリピン版みたいなものですね。

 

自分がもらう側なら良いのですが、大人になると当然配る側になります。

 

お金を配る相手は甥っ子や姪っ子だけではありません。

日本のお年玉と違うのは、ニノン・ニナン(洗礼時の名づけ親)であれば

自分が洗礼親になった子供(イナアナック)にも

お金やギフトをあげることが期待されることです。

 

ニノン・ニナン~フィリピン人の洗礼親になるとはどういうことか?

 

ひとりひとりへのアギナルドはささいな額でも、

大家族かつニノン・ニナンとしての分もあるため積み重なるとかなりの金銭負担となります。

そのためフィリピン人の多くはクリスマスに給料が底をつきます。

 

大量の甥や姪などが押しかけるのを避けて、

どこかに出かけて留守にしてしまう人もいるというぐらいです。

 

おわりに

 

もちろん、クリスマスが多くのフィリピン人にとって楽しみな時期であることは事実です。

しかし、ここぞとばかりにbinging(大量食い・大量飲み)にふけり、

病院で過ごすことになればまさに悪夢です。

 

このような事実を知って警戒しておくだけでも多少の意味があるかもしれません。